
グレーゾーンは「症状が軽い」という意味ではありません
こんにちは、
発達障がい支援センターの真鍋良得です。
「グレーゾーンかもしれません」と言われると、
「診断がつかないなら大丈夫なのかな」
「発達障害ではないなら安心していいのかな」
と思う親御さんは少なくありません。
しかし実は、「グレーゾーン=症状が軽い」という考え方は正確ではありません。
今回は、発達障害のグレーゾーンについて、親御さんにぜひ知っていただきたいことをお伝えします。
グレーゾーンは正式な診断名ではない
まず知っておきたいのは、「グレーゾーン」は医学的な診断名ではないということです。
一般的には、
- 発達障害の特徴は見られる
- しかし診断基準をすべて満たしているわけではない
という状態を表す言葉として使われています。
つまり、「発達障害ではない」と断定されたわけでも、「発達障害である」と確定したわけでもない状態です。
白か黒かではなく、その間にある状態を説明するための言葉だと考えると分かりやすいでしょう。
「困りごと」が軽いとは限らない
ここで大切なのは、
診断がつかないことと、困りごとが少ないことは別問題だということです。
例えば、
- 集団の中では疲れ切ってしまう
- 音や光が気になり授業に集中できない
- 予定変更があると強い不安を感じる
- 忘れ物やミスが続いて自己肯定感が下がる
こうした困りごとは、診断の有無に関係なく起こります。
診断基準を少し満たさないだけでも、本人にとっては毎日がとても大変なこともあるのです。
環境によって困りごとは大きく変わる
発達特性は、環境との相性によって見え方が大きく変わります。
例えば、
小学校までは先生の理解があり困らなかった子が、中学校で教科担任制になると急についていけなくなることがあります。
反対に、自分に合った環境では特性が目立たず、周囲も本人も困らない場合もあります。
つまり、
「今は困っていない」ことが、「これからも困らない」という意味ではありません。
環境が変われば、困りごとが表面化することも十分にあります。
診断がないことで支援につながりにくいことも
グレーゾーンのお子さんが抱えやすい難しさの一つが、
「周囲から理解されにくい」
ということです。
「診断がないんだから頑張ればできるでしょ」
「甘えているだけじゃない?」
そんな言葉をかけられてしまうこともあります。
本人も、
「自分だけできない」
「努力が足りないんだ」
と思い込み、自信を失ってしまうことがあります。
こうした状態が続くと、不登校や不安、抑うつなどの二次的な問題につながることもあります。
親が見るべきなのは診断名ではない
親として一番大切なのは、
診断名があるかどうかではなく、子どもが困っているかどうかを見ることです。
もし、
- 毎日学校へ行くことが苦しい
- 友達との関係で悩み続けている
- 家では疲れ切って何もできない
そんな様子があるなら、支援や環境調整を考えるタイミングかもしれません。
診断名は支援を考えるための一つの目安ではありますが、それ以上に大切なのは、目の前のお子さんの毎日の生活です。
まとめ
グレーゾーンとは、「症状が軽い」という意味ではありません。
診断基準には届かなくても、本人は大きな困りごとを抱えていることがあります。
だからこそ、
「診断がないから大丈夫」
と安心するのでも、
「診断がつかないから何もできない」
とあきらめるのでもなく、
今、その子が何に困り、どんな支援があれば安心して生活できるのかを一緒に考えていくことが大切です。
診断名よりも、お子さんの笑顔や安心できる毎日を大切にする視点が、何より大きな支えになるのではないでしょうか。
