
こんにちは、
発達障がい支援センターの真鍋良得です。
発達障害のあるお子さんを育てていると、
「何度言っても宿題をやらない」
「毎日のように忘れ物をする」
そんな悩みを抱えることがあるかもしれません。
一生懸命声をかけても改善せず、ついイライラしてしまうこともありますよね。
しかし、宿題や忘れ物の問題は、「やる気がない」「怠けている」から起きているわけではありません。
実は、発達障害の特性によって、取り組み始めることや準備をすること自体が難しい場合があるのです。
今回は、発達障害の子どもが抱えやすい「宿題」と「忘れ物」の問題について、家庭でできるサポート方法をご紹介します。
宿題ができないのは意志が弱いからではない
発達障害のある子どもは、それぞれ異なる特性を持っています。
例えば、
- 自分の予定やルーティンへのこだわりが強い
- 気になることに集中すると切り替えが難しい
- やるべきことを忘れやすい
- 勉強そのものに苦手さがある
といった特徴が見られることがあります。
そのため、
「帰ったら宿題をする」
という当たり前に思える行動が、とても高いハードルになっている場合があるのです。
「宿題やった?」より大切なこと
多くの親は心配になると、
「宿題した?」
「まだやってないの?」
「早くやりなさい」
と声をかけます。
しかし、何度も言われることで子どもはプレッシャーを感じたり、反発したりすることがあります。
そこで大切になるのが、「宿題をやらせる」ことではなく、「宿題に取りかかりやすくする」ことです。
まずは宿題を見える場所に出す
例えば帰宅したら、
- ランドセルを置く
- 連絡帳と宿題を出す
- 決まった場所に置く
という流れを作ります。
この段階では、まだ宿題をしなくても構いません。
大切なのは、「宿題があることを忘れない環境」を作ることです。
宿題が机の上に見えているだけでも、取り組むきっかけが生まれます。
小さな成功体験を積み重ねる
最初から
「毎日全部終わらせよう」
と考える必要はありません。
例えば、
- 宿題を出せたらOK
- プリントを1枚だけやったらOK
- 5分だけ取り組めたらOK
というように、ハードルを下げることが大切です。
発達障害のある子どもは失敗体験が積み重なりやすいため、
「できた!」
という経験を増やしていくことが、自信につながります。
忘れ物が多いのにも理由がある
忘れ物についても同じです。
親からすると、
「明日の準備くらい自分でできるでしょ」
と思うかもしれません。
しかし発達障害のある子どもの中には、
- 明日の予定を思い出す
- 必要な物を考える
- 探し出す
- ランドセルに入れる
という複数の作業を同時に行うことが苦手な子もいます。
大人なら自然にできることでも、子どもにとっては非常に複雑な作業になっているのです。
「自分でやって」より「一緒にやろう」
忘れ物を減らすためには、
「ちゃんと準備しておいてね」
と任せるよりも、
「一緒に明日の準備をしようか」
とサポートする方が効果的です。
例えば、
「明日は体育があるね」
「体操服は入っているかな?」
「図工の道具は必要かな?」
と確認しながら進めることで、準備の仕方を少しずつ学んでいきます。
これは甘やかしではありません。
自転車の補助輪と同じで、できるようになるまで支えるためのサポートです。
環境を整えることも大切
忘れ物を減らすには、子どもの努力だけに頼らないことも重要です。
例えば、
- 持ち物リストを作る
- 準備する場所を固定する
- 前日の夜に準備する
- 学校に置いておける物は置かせてもらう
など、環境を工夫することで負担を減らせます。
発達障害の支援では、「頑張らせる」よりも「やりやすくする」ことが大切です。
子どもを責めるより、仕組みを作ろう
宿題や忘れ物が続くと、
「どうしてできないの?」
「何回言ったらわかるの?」
と言いたくなることもあるでしょう。
しかし、多くの場合、子ども自身も困っています。
必要なのは叱ることではなく、できるようになるための仕組みづくりです。
宿題を始めるきっかけを作ること。
忘れ物をしにくい環境を整えること。
そして、小さな成長を認めながら見守ること。
その積み重ねが、子どもの自信と自立につながっていきます。
発達障害のある子どもを育てるうえで大切なのは、「なぜできないのか」を責めることではなく、「どうすればできるようになるか」を一緒に考えることです。
親が味方でいてくれる安心感こそが、子どもが前に進むための大きな力になるのです。
