発達障がい支援センター
真鍋良得(まなべりょうえ)です。
発達障害がある子供の特性というのは、親が同じような特性を持っている場合でないと感覚的にはわかりにくいものです。
子供の問題を解決しようとするときは、子供の気持ちや感じ方を想像し、わからなければ子供に聞いて、子供自身が行動を選択できる状況を作ってあげることが大事です。
発達障害がある小学生のお子さんが心理士と面談したときのことです。
面談開始の5分ほどまえに面談室の前に行き、母親と子供が待機していました。
子供「あと何分?」
母親「あと5分。」
子供「暇だ。」
母親「動画でも見てれば?」
母親は自分の持っていたスマホを渡し、子供が動画を見始めました。
5分後に心理士がやってきましたが、子供は動画に集中して一歩も動きません。
その動画は1時間の長さがあり、終わるまで子供は動けず、面談の時間が終わってしまいました。
その子は一度やりはじめたものを途中でやめることは出来ないという特性がありました。
発達障害があるその子は、一度やり始めたことを途中でやめられないというのはいつもの事なのですが、お母さんがそのことを認識しておらず、5分待ってる間に騒がれるのが嫌でスマホを渡したのです。
発達障害のない子供や大人でもゲームをやり始めたり動画を見始めるとなかなかやめられないことがあります。
途中でやめられないのは発達障害だけが理由ではありませんが、その傾向が強いとなおさらです。
母親は子供が「暇だ」というのでなんとかしてあげようとしたのですが、それが意図しない結果になりました。
親が問題を解決しようとしなくても、問題の多くは子供が自分で解決できます。
母親自身は、動画を見始めても途中でやめられる人でしたが、子供はそれができませんでした。
母親は、その時には子どもが何かを始めるとやめることができない性質があることを理解できていませんでした。
発達障害がある子供の場合は特にその感覚を親が理解できないということがあります。
子供の気持ちや感じ方を確認しながらサポートしてあげることができれば、親も子もストレスが減り、楽になります。