
こんにちは、
発達障がい支援センターの真鍋良得です。
発達障害のある子どもを育てていると、
「困らせたくない」
「失敗させたくない」
「少しでも楽にしてあげたい」
そんな思いになることはありませんか?
たとえば、子どもが宿題をしている時。
なかなか進まない。
間違えている。
時間ばかり過ぎていく。
そんな様子を見ていると、つい親が答えを教えたり、一緒に最後までやることがあるかもしれません。
それは決して悪いことではありません。
子どもを思う親心があるからこその行動です。
でも、そんな時に少しだけ考えてみたいことがあります。
――その時間は、誰の学びになっているだろう。
発達障害のある子どもは、日常の中で「うまくできない」「注意される」「失敗する」といった経験を重ねやすいことがあります。
そうすると、親は、できるだけ苦しい思いをさせたくないと思い、助けたくなります。
けれど、子どもの成長は「早く正解にたどり着くこと」だけではありません。
迷う。
止まる。
考える。
助けを求める。
間違える。
そんな一つひとつの経験の中で、子どもは少しずつ「自分でできる力」を育てていきます。
心理学では、「自分ならできる」と感じられる感覚を自己効力感と呼びます。
これは、根拠のない自信ではなく、
「自分でやってみた」
「できた経験がある」
そんな体験から育っていく心の土台です。
もちろん、発達障害のある子どもにとっては、何でも一人で頑張ることが大切なのではありません。
親のサポートは必要です。
ただ、全部を親が背負ってしまうと、
分からない時に考える
困った時に相談する
途中でやり直す
そんな力を育てる機会まで減ってしまうことがあります。
ある子がこんな言葉を言ったそうです。
「どうせ最後はお母さんがやるし」
この言葉には、少し考えさせられるものがあります。
助けてもらっているはずなのに、子どもの中では
「自分でやらなくてもいい」
「自分が頑張っても意味がない」
そんな感覚になってしまうことがあるのです。
「自分でやる経験」が減っていくと、人は自分から動こうとする力を失いやすくなります。
もちろん、親にも事情があります。
忙しい日もあります。
疲れている日もあります。
だから、代わりにやること自体が悪いわけではありません。
大切なのは、子どもの“やってみる機会”を奪わないこと。
たとえば、
・最初の1問だけ一緒に考える
・答えではなくヒントを伝える
・少し休憩してからやってみる
・すぐに手を出さず、少し待ってみる
そんな小さな関わりでも十分支えになります。
見守るのは、正直言って、楽ではないこともあります。
時間もかかるし、効率も良くないかもしれません。
それでも、
「自分でできた」
「最後までやれた」
そんな経験は、子どもの未来を支える大切な自信になります。
全部やってあげる優しさもある。
そして、信じて待つ優しさもある。
親のそのまなざしが、子どもの「自分ならできる」を育てていくのかもしれません。
