
「何回言えばわかるの?」と思った時に知ってほしいこと
〜ADHD傾向のある子の“待てない”には理由があります〜
こんにちは、
発達障がい支援センターの真鍋良得です。
発達障害、特にADHDの傾向がある子どもを育てていると、
「順番を待てない」
「少し待ってね、ができない」
「何度言っても飛び出してしまう」
そんな姿に、ついイライラしてしまうことがありますよね。
「ちゃんと説明しているのに…」
「どうしてわからないの?」
そう感じる親御さんも少なくありません。
そんな時、実は、子どもは“わかっていない”わけではないことが多いのです。
「待つこと」がとてもつらい子どもたち
ADHD傾向のある子は、脳の特性として、
「待つ時間」に強いストレスを感じやすい
と言われています。
たとえば私たち大人でも、
・レジがなかなか進まない
・信号待ちが長い
・スマホの読み込みが遅い
そんな時、少しイライラすることがありますよね。
ADHD傾向のある子どもは、その“待つ不快感”をもっと強く感じているイメージです。
だから、
「順番を守らなきゃいけない」
「今は待つ時間」
ということは頭では理解していても、待っている間の“何もない時間”が苦しくなり、思わず動いてしまうことがあります。
本人もあとから、
「またできなかった…」
と落ち込んでいることも少なくありません。
ポイントは「待つ時間を空っぽにしない」こと
そんな時に大切なのは、
「待ちなさい」と繰り返すことより、待つ間に“やること”を作ることです。
じっと我慢するのが難しいなら、少しだけ体や手を動かせる工夫を入れてあげる。
それだけで、待ちやすくなることがあります。
ここでは、実際に家庭で取り入れやすい工夫をいくつかご紹介します。
工夫① 指を使った「数探しゲーム」
スーパーのレジ待ちや外出先で、
「赤いものを3つ探してみよう」
「丸いものを見つけられるかな?」
など、小さな“探しゲーム”をしてみる方法です。
待つことに意識を向けるのではなく、「探すこと」に脳を向けることで、落ち着きやすくなる子もいます。
工夫② ハンカチぎゅっぎゅチャレンジ
待合室や並んでいる時に、ハンカチや小さなタオルを握らせて、
「何回ぎゅーってできるかな?」
「やわらかい?かたい?」
と感覚遊びを入れる方法です。
手を動かすことで、不安や落ち着かなさが和らぐ子もいます。
特別な道具がいらないので、外出先でも使いやすい工夫です。
工夫③ 「10秒ミッション」を作る
「ママが戻るまで、この線の上に立っていられるかな?」
「10秒だけ忍者みたいに静かにできる?」
など、“待つ”をゲーム感覚に変える方法もあります。
ただ我慢するより、「挑戦」に変わることで、気持ちが切り替わりやすくなる子もいます。
「待てた瞬間」をしっかり見つける
そして、とても大切なのが、
“できた瞬間”に注目することです。
たとえ10秒でも待てたら、
「待てたね」
「頑張ってたね」
と声をかけてあげる。
すると子どもの中で、
「待つと認めてもらえる」
「できたら嬉しい」
という経験が少しずつ積み重なっていきます。
反対に、できなかった時だけ注意され続けると、
「どうせ自分はできない」
という気持ちにつながってしまうこともあります。
「わざと」ではなく「苦手」なのかもしれません
もちろん、毎回うまくいくわけではありません。
親も疲れている日がありますし、何度言っても難しい場面もあります。
それでも、
「この子はわかっていないんじゃなく、待つことが苦手なんだ」
そう思えるだけで、少し声のトーンや関わり方が変わることがあります。
子どもを責めるより、
「どうすれば待ちやすくなるかな?」
と一緒に工夫していけると、親子ともに楽になるかもしれませんね。
