
発達特性を活かすヒント
こんにちは、
発達障がい支援センターの真鍋良得です。
「なぜかいつも、自分だけ浮いている気がする」
「ちゃんとやっているつもりなのに、うまく伝わらない」
「周りと同じようにやっているのに、ズレてしまう…」
そんなふうに感じたこと、ありませんか?
社会に出て働き始めてから、「周りとうまくかみ合わない」と感じることが多くなる方は少なくありません。
特に、発達障害(ASDやADHDなど)の特性を持つ方は、そういった“ズレ”を日々実感しているかもしれません。
でも、それは「あなたが悪い」わけではありません。
ただ「違う特性を持っている」だけなんです。
今日は、そんな“ズレ”の正体と、そこから見えてくる「自分らしさの活かし方」についてお伝えします。
どうしてズレてしまうの?
発達障害のある方が「周りとズレて感じる」背景には、いくつかの理由があります。
① 感覚の違い
音や光、人の話し声、匂いなど、周囲の刺激に対する感じ方がとても敏感だったり、逆に鈍感だったりすることがあります。
たとえば、自分は気になって仕方ない雑音でも、他の人はまったく気にしていない。
その違いだけでも、ストレスや不安が生まれてしまいます。
② 考え方・受け取り方の違い
「言葉どおりに受け取る」「比喩がわかりにくい」「表情や空気を読みづらい」など、人とのコミュニケーションで苦労することも多いです。
「なんでそんなふうに考えるの?」と言われた経験、あるかもしれませんね。
③ 優先順位やこだわりの違い
自分では「これが大事」と思って一生懸命やったことが、上司や同僚には評価されなかった。
そんな経験も、“ズレてる”と感じる原因になります。
ズレは「個性の芽」
でも、ここで一つ考えてみてください。
その“ズレ”は、裏を返せば「あなたにしかない視点」なのかもしれません。
・小さな違和感に気づける観察力
・ 一つのことに深く集中できる力
・ 人とは違う発想ができる柔軟な思考
・正直でまっすぐな気持ち
これらは一つの例ですが、周りの人とズレていると感じる人の中には、こういった「強み」を持っていることが多いものです。
「周りと同じじゃない」と悩む必要はありません。
むしろ、「周りとは違うからこそできること」が、必ずあります。
自分の特性を活かすヒント
「でも、実際どうしたら活かせるの?」
そう思われた方のために、今日からできる3つのヒントをご紹介します。
① 自分の“得意”と“苦手”を知る
まずは自己理解がスタートラインです。
メモを取りながら、日々の中で「うまくいったこと」「しんどかったこと」を書き出してみましょう。
気づきが少しずつ増えていきます。
② 合わない環境から距離をとる
「努力すればなんとかなる」と無理をしすぎると、心がすり減ってしまいます。
苦手な環境や人間関係は、避けていいんです。
なるべく、あなたが安心できる場所・関係を大切にしましょう。
③ “自分らしさ”を受け入れてみる
「ズレていてもいい」と、少しずつ自分を認めてあげてください。
無理に“普通”に合わせなくても、あなたの価値は変わりません。
おわりに
社会人としての毎日。
たとえ周りと違っても、あなたはあなたのペースで生きていい。
“ズレ”は“違い”であり、違いは“魅力”になります。
あなたの中にある特性は、必ず誰かの役に立ちます。
焦らず、比べず、少しずつ。
自分らしさを活かせる場所は、きっと見つかります。
あなたの生き方に、やさしく寄り添う光が届きますように。