
「ダメ!」と叱るだけでは身につかない理由
こんにちは、
発達障がい支援センターの真鍋良得です。
「何度言ったら分かるの!」
子育てをしていると、思わずそんな言葉が出てしまうことがありませんか。
友達をたたいた。
順番を守れなかった。
物を投げた。
道路へ飛び出そうとした。
そんな場面では、まず危険な行動を止めることが最優先です。
「ダメ!」
「やめよう!」
そう伝えることは決して悪いことではありません。
しかし、その場で叱って終わってしまうと、子どもは本当に大切なことを学べないことがあります。
「何がダメだったか」だけでは次につながらない
例えば、お友達が遊んでいるおもちゃを使いたくて、無理やり取ってしまったとします。
大人は、
「取ったらダメ!」
と注意します。
もちろん、その行動を止めることは必要です。
でも、その後に何も教わらなければ、子どもは次に同じ場面になったとき、どうすればいいのか分かりません。
「貸してって言えばよかったのかな。」
「順番を待てばよかったのかな。」
「先生に手伝ってもらえばよかったのかな。」
こうした方法を知らなければ、また同じ行動を繰り返してしまいます。
子どもは「ダメだったこと」よりも、「どうすればよかったのか」を学ぶことで成長していくのです。
子どもは毎日の経験から学んでいる
子どもは、大人が思っている以上に毎日の出来事から学習しています。
例えば、
泣いたら欲しいものが手に入った。
大声を出したら周りが動いてくれた。
逃げたら苦手なことをしなくて済んだ。
そんな経験を繰り返すと、
「この方法ならうまくいく」
と覚えてしまいます。
もちろん、それは子どもが悪いのではありません。
子どもは、その時点で知っている方法の中から、一番うまくいくと思う方法を選んでいるだけなのです。
だから、大人は「もっと良い方法」を教えてあげる必要があります。
「ダメ」のあとに伝えたいこと
行動を止めた後は、落ち着いてからこんな声かけをしてみてください。
「本当はどうしたかったの?」
「困ったんだね。」
「今度はどうしたらうまくいくかな?」
「一緒にやってみようか。」
責めるのではなく、一緒に考える姿勢が大切です。
ただし、子どもが興奮していたり、泣いていたりするときは、話を聞ける状態ではありません。
そんなときは、まず安心できるように寄り添い、気持ちが落ち着いてから伝えれば十分です。
育てたいのは「言われたからやめる子」ではない
私たちが目指したいのは、
怒られるからやめる子ではありません。
困ったときに助けを求められる子。
自分の気持ちを言葉で伝えられる子。
相手の気持ちを考えられる子。
そして、自分でより良い行動を選べる子です。
その力は、一度叱られたくらいでは身につきません。
安心できる大人と一緒に、
「こうしたらうまくいった」
という成功体験を積み重ねることで、少しずつ育っていきます。
まとめ
子どもの問題行動を止めることは、とても大切です。
しかし、それはゴールではありません。
本当に大切なのは、その後に何を教え、どんな経験を積ませるかです。
「ダメ」と伝えるだけでは、子どもは次の行動を学ぶことができません。
「どうしたらよかったのか」
「次はどうしてみようか」
その一歩まで一緒に考えることが、子どもの成長につながります。
子どもを変えるのは、叱る回数ではありません。
安心できる関わりの中で、「できた」という経験を積み重ねること。
その積み重ねが、子どもの未来の行動を少しずつ変えていくのです。
