
こんにちは、
発達障がい支援センターの真鍋良得です。
発達障害のあるお子さんと関わっていると、
「どうしてこんなに伝わらないんだろう…」
と感じる瞬間はありませんか。
とくに、遊びや活動の終わりを伝えたとき。
急に動きが止まったり、強く嫌がったり…。
戸惑う場面のひとつですよね。
つい焦って、
「早くして!」
と言ってしまい、あとで落ち込む…。
そんな経験もあるかもしれません。
でも大丈夫です。
その“切り替えにくさ”には、ちゃんと理由があります。
切り替えが苦手なのは、わがままではない
発達障害、とくにASDの特性をもつ子どもは、
ものごとの受け取り方に特徴があります。
たとえば——
● ひとつのことに強く集中する力
夢中になっていると、外からの声が入りにくくなります。
「終わりだよ」と言われても、気づけない状態なのです。
● 次が見えないことへの不安
「このあと何をするのか」がわからないと、
先の見えない暗い道を歩くような不安を感じます。
● 変化そのものがストレスになる
予定が変わること自体が、
脳にとって大きな負担になることがあります。
つまり、
「やりたくない」のではなく
「うまく切り替えられない」だけなんです。
ついやってしまう対応が逆効果になることも
良かれと思っての声かけが、
かえって子どもを苦しくしてしまうことがあります。
たとえば——
● 急かす
→ 焦りで頭がいっぱいになり、動けなくなります
● 長く説明する
→ 情報が多すぎて、さらに混乱してしまいます
● 無理に動かす
→ 不安や恐怖が強くなり、信頼関係にも影響します
大切なのは、
「動かすこと」ではなく
「安心して動ける状態をつくること」です。
今日からできる関わり方のヒント
子どもがスムーズに切り替えられるように、
少しずつ橋をかけるイメージで関わってみましょう。
① 終わりを“見える形”にする
・タイマーを使う
・「あと○分」とカードで伝える
・次にやることを写真や実物で見せる
見通しがあるだけで、安心感はぐっと増えます。
② 終わりの合図を決める
・同じ音楽を流す
・同じ声かけをする
「これが来たら終わり」とわかると、
心の準備がしやすくなります。
そして、伝えたあとに少し待つこと。
この“待つ時間”も、とても大切です。
③ 自分で決めた感覚を大切にする
・「今やめる?あと1回やる?」
選択肢があると、
納得して動きやすくなります。
④ 今のがんばりを認める
・「よく集中してたね」
・「続きはまた明日やろうね」
途中で終わることを否定せず、
気持ちを大切にしてあげましょう。
困りごとは、強みの裏側
切り替えが苦手ということは、
それだけ深く集中できる力があるということです。
この力は、
将来の得意分野や専門性につながる
大きな才能でもあります。
だからこそ、
無理に変えようとするのではなく、
「その子らしさを大切にしながら、
困りにくくする工夫をしていく」
それが大切な関わり方です。
最後に
いきなり全部やろうとしなくて大丈夫です。
まずは一つ。
タイマーを使うでも、
次の予定を見せるでもいい。
小さな工夫が、
子どもの安心につながり、
親の気持ちも少し楽にしてくれます。
目の前のお子さんを、
今日も少しだけ、やさしい目で見てあげたいですね。
