
「伝わらない」は、子どものせいじゃない 〜発達障害の子への“伝え方”のヒント〜
こんにちは、
発達障がい支援センターの真鍋良得です。
「何度言っても聞いてくれない」
「ちゃんと説明したのに、どうしてわからないの?」
そんなふうに感じて、思わずイライラしてしまうことはありませんか?
でも、もしかしたら——
「伝わらない」のではなく、「伝わり方」がちょっと違うだけかもしれません。
子どもが理解しづらい理由
発達障害のある子どもたちは、言葉の意味を理解する力や、注意を保つ力、感情のコントロールに特性があります。
そのため、大人が、こう言えば伝わるはずと思っても、子どもはうまく受け取れないこともあるのです。
たとえば、
・話を最後まで聞くのがむずかしい
・感情が先に動いてしまう
・「ちゃんと」「しっかり」など抽象的な言葉がわかりづらい
といったことがよくあります。
伝わるのは「子どもの感じ方」で変わる
実は、子どもによって「どんなふうに情報を受け取るのが得意か」が違います。
・ 目で見て理解する子(視覚タイプ)
→「やることリスト」やイラストで見せると伝わりやすい。
・ 耳で聞いて理解する子(聴覚タイプ)
→落ち着いた声で、短い言葉で伝えると理解しやすい。
・ 体で感じて理解する子(体感覚タイプ)
→手をつないだり、ハグしたあとに話すと安心して聞ける。
同じ「伝える」でも、相手の得意な感覚に合わせるだけで、驚くほどスムーズに伝わることがあります。
大切なのは「どう言うか」より「どう届くか」
「もっとわかりやすく話そう」と頑張るよりも、
「この子にはどんな伝え方が届きやすいかな?」と考えることが大事です。
子どもの理解の仕方に寄り添うことで、
言葉だけでなく、安心感や信頼感まで伝わっていきます。
まとめ:理解しようとする気持ちが、いちばんのコミュニケーション
発達障害がある子にとって、「伝え方の工夫」は愛情のかたちのひとつ。
怒る前に、「どうしたらこの子に伝わるかな?」と一呼吸おいてみましょう。
その小さな意識の変化が、親子の会話をやさしく変えていきます。
言葉よりも心が届くコミュニケーションを、少しずつ育てていきたいですね。