
発達特性と歩む人のための“支援・学び”ガイド
こんにちは、
発達障がい支援センターの真鍋良得です。
「どこに相談すればいいの?」
「自分に合う働き方って?」
そんな迷いは、情報という地図を持つことでグッと軽くなります。
当センターでもカウンセリングを行っていますが、まずは「知っておくこと」自体が力になります。
この記事では、発達特性のある方が“じぶんらしく”進むための情報を得るヒントを紹介します。
1 自分の現在地を知る(自己理解)
- 強み/苦手の棚卸し
“できること”“がんばればできること”“今は難しいこと”の3つに分けて書き出します。対策は難易度の低い順に一つずつ。 - 特性の背景を学ぶ
「なぜそうなるのか」が分かるだけで自己否定が減り、選ぶ対処が具体的になります。 - 感覚プロフィールを把握
音・光・触感・匂い・温度
——どれに敏感/鈍感かをチェック。
ヘッドホン、照明、衣類素材など環境の微調整がカギ。 - 二次的な不調を予防
うつや不安は“ダメージのサイン”。
休息ルール(寝る時間・人に頼る合図・やめるライン)を先に決めておくと安心です。
2 日常をラクにする道具と工夫
- タスク管理
アプリや手帳で見える化。
やることを短い時間でできる最小単位に分けてみる。
忘れ物はチェックリストで固定化。
など・・・ - ライフハック
タイマーで着手、色分けで分類、持ち物は定位置など。
小さな自動化が決断疲れを減らします。 - 自立訓練(生活・機能)
金銭管理・対人スキル・健康管理など、暮らしの基礎体力を育てる練習の場。 - グループホーム(共同生活援助)
少人数で暮らし、スタッフと一緒に生活リズムを整える**“中間地点”**の住まい。 - ヘルパー(居宅介護)
家事や身体介護を在宅で支援。疲れる家事を外部化して回復に回す発想です。
3 サポートしてくれる人を見つける
- ピアサポート/自助グループ
似た経験のある仲間と話す場。
「分かってもらえる」だけで孤立感が弱まることも。 - 相談支援事業所
サービス利用の計画づくり(サービス等利用計画)をいっしょに。
選択肢を整理するまとめ役です。 - 市区町村の障害福祉課/基幹相談支援センター
公的な支援制度の入口。
複数機関連携が必要な時は基幹センターが調整の要に。 - 発達障害者支援センター
生活・仕事・医療まで横断的に相談できる拠点。
情報の“総合案内所”として覚えておくと便利。
4 働き方を選ぶ(就労の選択肢)
- 就労移行支援
一般就労を目標に、訓練・実習・就活サポートまで伴走。
“職場での再現性”を意識して練習します。 - 就労継続支援A型
事業所と雇用契約を結び、支援つきで働く形。
働くリズムを取り戻したい人に。 - 就労継続支援B型
雇用契約は結ばず、自分のペースで作業して工賃を得る形。
体調の波に合わせやすいのが利点。 - 障害者雇用枠
配慮が前提の採用。“強みが光る環境”を見つけるのがポイント。 - 合理的配慮のリクエスト
静かな席、指示は文字、休憩の頻度調整、業務の組み替え等。
働きやすさ=成果につながります。 - ジョブコーチ(職場適応援助者)
本人と企業の間に立ち、業務や人間関係の現場調整を行う専門家。 - ハローワーク専門援助部門/地域障害者職業センター
求人紹介、職業評価、定着支援まで。
適職の見立てをもらうだけでも前進です。
5 医療とリカバリー
- 自立支援医療(精神通院)
通院医療費の自己負担を軽くして、継続受診のハードルを下げる制度。 - 精神科デイケア
生活リズムづくりや対人練習などのプログラムで、社会参加の筋力を少しずつ回復。
6 サポートを受ける際の3つのコツ
- 困りごとTOP3を決める
例:「朝の準備が進まない/音で消耗する/締切でパニック」 - 合う支援を1つだけ試す
例:チェックリスト導入 → 相談支援事業所へ → 就労移行の見学 - 2週間でふり返る
うまくいった点/改善点/次の一手を箇条書き3つ。
小さな前進を記録に残す。
7 情報は“お守り”
支援を受けることは弱さではなく、自分らしく生きるための戦略です。
このガイドのどれか一つでも、あなたの生きづらさを軽くする一歩になればいいなと思います。