
こんにちは、
発達障がい支援センターの真鍋良得です。
「うまく話せない…」そんな悩みはあなただけではありません。
発達障害がある方にとって、「人との会話」や「場の空気を読むこと」は、日常の中でとても大きなストレスになることがあります。
ちょっとした雑談や、相手の表情の読み取り、タイミングのつかみにくさ…。
こうした社会的スキルのつまずきが、仕事や人間関係に影響を与えていると感じている方も多いのではないでしょうか。
でも、安心してください。
「社会的スキル」は生まれつきの才能ではなく、「学び」や「練習」で伸ばしていける力です。
◾社会的スキルとは何か?
社会的スキルとは、簡単に言えば「人とうまく関わるためのコツ」。
たとえば…
- あいさつや声かけのタイミング
- 相手の気持ちに気づく方法
- 自分の思いをうまく伝える言い方
- トラブルを落ち着いて処理する力
…などがあります。
こうしたスキルは、多くの人が子どもの頃から、周囲の様子を“なんとなく”見て覚えていきます。
でも、発達障害がある方は、周囲の人の感情や行動を読み取るのが難しかったり、状況の変化に気づきにくかったりして、自然に学ぶというプロセスがうまくいかないことがあります。
その結果、「自分は人と関わるのが苦手なんだ」と思い込んでしまうこともありますが、実はここが大きな誤解なのです。
社会的スキルは、“自然に身につける”だけではなく、“学ぶことができるもの”。
むしろ、「明確に言葉で学ぶ」「一つひとつを分解して練習する」ことで、発達障害のある方が社会的スキルをしっかり身につけられるケースもたくさんあります。
ですから、「自分はできない」と決めつける必要はまったくありません。
まずは「学べるものなんだ」と知ることが、すでに前進の一歩です。
◾第一歩は「自分を責めないこと」
「どうして自分はうまくできないんだろう」と、自分を責めてしまうことはありませんか?
けれど、それは“あなたが悪い”のではなく、“今まで教わってこなかっただけ”なのです。
学校では勉強の仕方は教えてくれますが、「人間関係の築き方」までは丁寧に教えてくれませんよね。
社会的スキルも、後から学んで身につけていく“生きるための技術”のひとつ。
まずは「練習すれば身につくんだ」と知ることが、自己改善の第一歩です。
◾こんな方法から始めてみよう
- 人との会話で「困った場面」をメモしてみる
- よくあるやりとりを“ロールプレイ”で練習する
- 支援者や信頼できる人に、フィードバックをもらう
- 短時間・小さな交流からスタートする
苦手なことは無理に克服しようとせず、自分の特性を活かせる形で取り入れていくと、心の負担がぐっと軽くなります。
◾最後に:あなたには“味方”がいます
発達障害があることで、人との関わりに難しさを感じていても、それは「あなたに価値がない」ということではありません。
あなたにしかない優しさ、観察力、こだわり――
それは、社会にとって大切な「個性」であり「力」です。
社会的スキルは“生きやすさ”をつくる道具。
あなたの人生が、少しでも軽やかになるためのヒントとして、今日からできる小さな一歩を、ぜひ踏み出してみてくださいね。