
こんにちは、
発達障がい支援センターの真鍋良得です。
発達がゆっくりなお子さんを育てていると、
「好きなことしかしない」
「新しい遊びに興味を示さない」
「もっといろいろな経験をさせた方がいいのでは…」
そんな不安を感じることはありませんか。
周りの子どもと比べると、興味の幅が狭く見えてしまい、つい「もっといろいろ体験させなければ」と焦ってしまう親御さんも少なくありません。
しかし、興味は無理に広げるものではありません。
子どもは安心できる場所を土台にしながら、自分のペースで少しずつ世界を広げていくものです。
今日は、発達がゆっくりなお子さんの興味を自然に広げるための関わり方についてお話しします。
まずは「今いる場所」を大切にする
大人は「いろいろな経験をさせた方が成長する」と考えがちです。
もちろん、さまざまな経験は大切です。
しかし、お子さんの発達段階に合っていない経験は、楽しい思い出ではなく「疲れた」「怖かった」という記憶になってしまうこともあります。
例えば、ブロック遊びが大好きなお子さんに、急に大人数で遊ぶイベントへ連れて行ったとしても、人への興味よりも、慣れない環境に気を取られてしまうかもしれません。
大切なのは、
「何を経験させるか」よりも、「今、その子が楽しめることは何か」を考えることです。
子どもが安心して楽しめる環境があってこそ、新しいことへ目を向ける余裕が生まれます。
好きなことを入口に世界を広げる
興味の幅は、突然大きく広がるものではありません。
今好きなものから、新しいものへと少しずつつながっていきます。
例えば、乗り物が好きなお子さんなら、
電車の絵本を読む。
↓
駅まで散歩に行く。
↓
切符を買って短い電車旅をする。
↓
駅員さんに「こんにちは」と声をかけてみる。
このように、一つの「好き」を起点にすると、自然と興味の範囲が広がっていきます。
また、おままごとが好きなら、
野菜を買いにスーパーへ行く。
料理を一緒にする。
食べ物の名前を覚える。
というように、遊びと生活をつなげることもできます。
無理に新しいことを押しつけるより、「好き」の延長線上に新しい体験を用意する方が、お子さんは受け入れやすくなります。
「一緒に楽しんでくれる人」になる
興味を広げるうえで、実は最も大切なのは教材でも知育玩具でもありません。
それは、
「この人と一緒なら楽しい」と思える存在になることです。
子どもは、好きな人が楽しそうにしているものに興味を持ちやすいものです。
例えば、お子さんが積み木を積んでいたら、
「すごいね。」
「高いお家ができたね。」
「ここに動物さんを住まわせてもいいかな?」
そんなふうに遊びを少しだけ広げてあげる。
すると、お子さんは「いつもの遊び」に新しい楽しさを発見できます。
反対に、
「今度はこれをやってみよう。」
「こっちの方がおもしろいよ。」
と、大人が主導しすぎると、子どもは「遊びを取られた」と感じてしまうこともあります。
まずは、お子さんの世界に大人が入っていくこと。
その積み重ねが、「一緒に遊ぶって楽しい」という経験につながります。
焦らないことが一番の近道
発達がゆっくりなお子さんは、成長のスピードも、その子らしさも一人ひとり違います。
昨日まで興味がなかったことに、ある日突然夢中になることもあります。
その変化は、大人から見るととてもゆっくりに感じるかもしれません。
だからこそ、
「まだできない。」
ではなく、
「少し前より興味を示すことが増えた。」
そんな小さな変化に目を向けてあげてください。
子どもは安心できる環境の中で、自分のタイミングが来たときに一歩を踏み出します。
親が焦るより、笑顔で待ってくれる存在でいてくれることの方が、子どもにとっては大きな力になります。
まとめ
発達がゆっくりなお子さんの興味を広げるために大切なのは、
・今の発達段階に合った関わりをすること
・好きなことを出発点に少しずつ世界を広げること
・「一緒にいて楽しい人」になること
・結果を急がず、小さな成長を喜ぶこと
興味は教え込むものではなく、安心と楽しさの中で自然に育っていくものです。
今日すぐに大きく変わらなくても大丈夫です。
お子さんの「好き」を大切にしながら寄り添っていけば、その子らしいペースで世界は少しずつ広がっていきます。
その歩みを信じて、一緒に成長を楽しんでいきませんか。
