
ADHDの人が生活をラクにする「外部化メモ」の工夫
ADHD(注意欠如・多動症)の人は、やることや思いついたことを頭の中だけで覚えておくのが苦手なことがあります。
「宿題をやろうと思ったのに忘れてた」「アイデアが浮かんだけど、気づいたら忘れてしまった」なんてことはよくあることです。
これは多くの場合、生まれつきの脳の特性と関係しています。
だから「頑張れば大丈夫!」と気合で乗り切ろうとしても、なかなかうまくいきません。
そこで役に立つのが 「外部化メモ」 という方法です。
これは、頭の中のことを外に出して「見える化」し、忘れないようにする工夫です。
メモの3ステップを習慣にしよう
外部化メモには大事な3つのステップがあります。
- 思いついたらすぐ書く(キャプチャー)
頭に浮かんだことをすぐに外に出すのがポイントです。
スマホのメモアプリ、付箋、ボイスメモなどを使うと便利。
「あとで書こう」と思うと、もう忘れてしまうことが多いので、その場で残すのがコツです。
- あとで整理する(オーガナイズ)
書いたものをそのままにせず、あとでまとめます。
「勉強」「部活」「家の用事」などに分けたり、色ペンで分類したりするだけでも見やすくなります。 - 定期的に見直す(レビュー)
メモは書くだけでなく見返すことが大切。
1週間に1回、「何が終わったか」「まだ残っていることは何か」を確認するだけでも、生活がぐっとラクになります。
便利なツールをやさしく紹介
外部化を助けてくれるツールはいろいろあります。難しく考えずに使えるものから試してみましょう。
- Googleカレンダー
スマホやパソコンで使える予定帳。テストの日や部活の試合を入れておけば、見たときにすぐ確認できます。色分けもできるので便利です。 - ToDoリストアプリ
「やることリスト」を作れるアプリ。宿題を「国語のワーク」「英単語練習」などに分けて書けます。終わったらチェックを入れると達成感も味わえます。 - リマインダー(通知やアラーム)
スマホに「20時に英語の勉強」と入れておくと、時間になったら音や通知で知らせてくれます。やることを思い出させてくれる「アラーム係」です。 - 付箋メモ
紙に書いて冷蔵庫や机に貼っておく方法。必ず使うものに貼っておくと「やらなきゃいけないこと」が目に入りやすくなります。
新しい技術を味方にする
最近は、デジタル技術を使えばもっと便利になります。
- 音声入力アプリ
スマホに向かって「明日漢字ドリルやる」としゃべると、自動で文字にしてくれます。書くのが面倒でも、これなら続けやすいです。 - スマートウォッチ
手首につける時計型の機械。予定を知らせてくれるときに、ブルッと震えて教えてくれます。ゲームに集中していても「そろそろ宿題だよ!」と知らせてくれる頼もしい存在です。 - AIでタスクを細分化
たとえば「自由研究」の手順の細分化を依頼すると、「テーマを決める」「本を調べる」「まとめを書く」といった小さなタスクに分けてくれます。
「何から始めればいいかわからない」というときに助けになります。
まとめ
ADHDの人が社会生活や学校生活をラクにするためには、「自分の頭だけでがんばる」必要はありません。
大事なのは、メモやアプリを使って仕組みを作ること。
ポイントは、
- 思いついたらすぐ書く
- あとで整理する
- 定期的に見直す
この3つです。
紙の付箋でも、スマホのアプリでも、AIでもかまいません。自分が続けやすい方法を組み合わせて使うことで、「忘れる不安」や「できない焦り」がぐっと減っていくのではないでしょうか。